ホワイトゴールドと一部天然石
一部の天然石はホワイトゴールド(WG)のカレッジリングにお載せする事が出来ません。例えばターコイズとWGは「相性が悪い組み合わせ」です。
理由
ホワイトゴールド(WG)には2種あります。
イエローゴールドにプラチナを厚メッキした伝統的なWG
弊社も採用している仕様です。中世から銀髪系欧米人に好まれるホワイトゴールドで、欧米ハイジュエリーのWGもこの仕様です。

イエローゴールドと蒸着性が良いパラジウム(Pd)というプラチナをメッキし、その上にパラジウムと蒸着性が良いロジウム(Rh)というプラチナを2重メッキしたもので、通常の着用による摩擦程度では剥離する事が無い非常に堅牢なメッキです。
さすがに石留めする際に金属製工具で叩くと、メッキが剥がれてしまうので、石留めをした後にメッキする必要があります。しかし、メッキ液は強酸性なので、天然ターコイズやエメラルド、タイガーアイなどの一部の天然石は酸で色落ちしたり、艶がなくなったりします。



従って、イエローゴールドにプラチナメッキのWGにはターコイズなど一部の天然石をお載せする事は出来ません。
イエローゴールドにニッケルを混入し、黄色を薄くしたWG
2000年代に開発された新しいWG仕様です。
黄色のゴールド(Ag)に灰色のニッケル(Ni)を混ぜる事で、黄色みを抑えるとともに、一般的なゴールドの割金(シルバーと銅)より割安なニッケルを使う事でコストも抑制できるものです。しかし、完全に黄色が消える訳ではなく、淡いレモン色の地金になるので、必ずロジウムメッキが必要になります。

この「ニッケル割りWG」は、非常に脆く、紙粘土のようにポロポロと欠ける特性があります。女性用の柔らかな曲線デザインや単純な留め爪で石を留める事は可能ですが、カレッジリングのように石座枠に石を叩いて留める装身具には不向きです。従って、Philip CR and CRではニッケル割りWGは採用していません。
WGの2種の仕様からおわかりのように、一般的に「WGの色」と認知されている銀灰色はロジウムメッキの色なのです。